細かい配慮や判断が求められる

訪問看護の仕事では、慢性疾患の人や病気の合併症の人の看護ケアやリハビリを行います。
また、病状が思わしくなく、末期状態の利用者の看護も行います。末期と言っても癌だけではなく、老衰の状態や心不全など色々なケースがあります。

最期の状態になる直前に、緩和ケア病棟に入る準備をしている人もいます。
この場合、日々変化している利用者の状態を正確に把握し、必要なことは主治医に報告する必要があります。利用者が一日も長く自宅療養を続けられるよう手厚くサポートするのが、訪問看護師の役割です。
また、緩和ケア病棟に入院する絶妙なタイミングを見極めるのも、訪問看護師の仕事の一つです。そのため、緊張感がある仕事であるとも言えます。

最期を自宅で迎えると決めている人の場合、利用者ができるだけ家族との時間を増やし貴重な時間を共有できるよう配慮しなければなりません。
看護師が訪問すると安心する家族は多いですが、だからと言って長時間滞在していては、大切な最後の時間の無駄使いになります。いよいよという時が近くなったら、家族が慌てないよう、起こりうることを説明します。また、エンゼルケアも、訪問看護師の仕事です。

訪問看護師は末期の状態の利用者と関わることも多いのですが、病気での末期ではなく、いわゆる老衰のような場合もあります。
しかも、100歳前後の超高齢者に限らず、80歳程で老衰が進んでいる人もいます。この場合、家族がどうしても現実を認めようとしないケースがあります。
例え衰弱しきって食事も水分も全く受け付けなくなっても、まだ生きていけると信じている家族に根気強く向き合い説得するのも、訪問看護師の仕事になります。